プロフィール

イタリア/ローマ留学
国際青年美術家展 (旧ソ連、東欧、パリ) 文部大臣賞受賞
日本作家7人選抜展 (パリ)
東京、ニューヨーク、パリ、福岡など、各地で個展/グループ展
日、韓、現代美術展
日本、ハンブルグ交流展
造形工房「遊」設立、モニュメント・壁画・オブジェ等、各地にて制作設置
2022年没、享年74歳

制作スタイル

大石博は「位相」から美を掘り出す画家でした。 目に見える表面的なものを写そうとしても、良い絵画にはなりません。キャンバスに描き替えるのであれば、そのまま写そうとするのでなく、その美しさを絵具とキャンバスという画材を活かす方法に転換しなければ当初の美しさが逃げてしまいます。
表現しなければならないのは目に見える映像を写し取る事でなく、感じ取っている美しさを再現すること。彼はそれが画家の仕事だと考えていました。

画家に限らず、芸術家は通常、自分らしさのためにスタイルを作るものです。しかし彼は制作スタイルを固定せず、様々な技法や素材で作品を作っていました。それはすべて自分らしさのためではなく、感じ取った美しさを表現するためでした。

通常の絵画は、下書きをして、色を塗り、額に入れて完成するものです。しかし彼の絵には完成がありませんでした。せっかく制作して展示した作品でも、次の日には一部を塗りつぶしてしまったり、真っ二つに切ってしまったりすることもありました。何度も線や色が塗り重ねられ、よく見ないと気づかないようなところにも描き込みがあります。1つの作品の中でも、より美を掘り出そうとした痕跡が随所に見られます。
2022年、彼の作品は多くが未完成のまま、完成を迎えたと言えます。

作品

大石博の作品は、海をモチーフにした抽象造形作品が中心です。
国内外で画家として活動した後に長崎県佐世保市に定住してからは、公共施設の壁画、時計台の建造など、地域をキャンパスにアートを描いてきました。
絵画や彫刻だけでなく、このような造形作品もご紹介します。

Online Gallery

造形作品

彼の大きな特徴である「位相」を、わかりやすく感じることができる作品です。金属、石、木、様々な素材を使ってイメージを展開します。



大型抽象画

壁の一面を飾る大きな絵画です。受賞作など彼の代表作はこのタイプが多く、見る人に大きなインパクトを与えます。



絵画

基本的に抽象がが多いですが、ごく稀に花など形のあるものも描いていました。早年は版画もよく制作していました。



彫刻

仕事として彫刻をすることは稀で、ほとんどは趣味でした。仕事の合間に、魚や昆虫の彫刻を作って遊んでいました。しかしその趣味の作品こそ、彼の遊び心が色濃く現れ、見る人を笑顔にしてくれます。



スケッチ

晩年はほとんど描くことはありませんでしたが、早年は旅をして、そのイメージを作品にしていました。一般的なスケッチではなく、いったん彼の解釈を通している具象画です。